日本のFIA-F4選手権は、主要構成部品を国内企業が開発・生産した車両をワンメイク車両として使用していることでも知られている。
国内モータースポーツで技術を育んで来た童夢、トムスなどの会員企業によって設立された日本自動車レース工業会(JMIA)が主導し、FIAが定めるFIA-F4車両規定に則って開発された童夢F110/トムスTZR42というパッケージ、いわゆる「第1世代(Gen 1)車両」は、シリーズ初年度の2015年から2023年まで9年間に渡ってシリーズを支えたが、近年の安全性に関する要求の高まりに際してFIAが主導し「第2世代(Gen 2)車両」への移行を推進。
それを受けて、2024年より新たに東レ・カーボンマジック社がワンメイクシャシーMCS4-24を開発・供給することに。エンジンは引き続きトムスが供給を担当も、20psパワーアップしたトムスTMA43エンジンを新たに供給することとなった。
第1世代車両、第2世代車両ともにエントリーフォーミュラ用として高いパフォーマンスを発揮しながらも、FIAのコストキャップ規定に准じており、参戦費用の抑制にも大きく貢献するものとなっている。
また、FIA-F4選手権では、コントロールタイヤをダンロップが供給。全車が同じシャシー、エンジン、タイヤで戦うこととなり、ハードウェアの面で高いイコールコンディションが保たれる中、それを操って戦う若手ドライバーの技量がレースの行方を大きく左右することとなっている。
若手ドライバーの育成を目的に「第4のフォーミュラカテゴリー」として創設された「FIA-F4」。その使用マシンはFIAが定める車両規則に則り、FIA-F3に准じた高い性能を誇るものとなっているが、当該規則に則っていれば各シリーズごとにワンメイク車両を構成するシャシー、エンジンなどを選択出来るのが特色のひとつだ。
前述したように日本のFIA-F4選手権ではシャシーは東レ・カーボンマジック社製「MCS4-24」、エンジンはトムス製「TMA43」、ギヤボックスは戸田レーシング製「6速シーケンシャル・パドルシフト」、さらにタイヤはダンロップ製など、国内企業の製品を採用。参戦コストを抑えつつも、高い次元でのイコールコンディションとクオリティーで、若手ドライバーたちの技術と経験値の向上をバックアップする。
MCS4-24 | |
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全長 | 4,795mm |
全幅 | 1,750mm(タイヤ間) |
全高 | 950mm(ROLL HOOP) |
ホイールベース | 2,820mm |
トレッド(Front) | 1,510mm |
トレッド(Rear) | 1,470mm |
車両重量 | 637kg/647kg(ドライバー含む。チャンピオンクラス/インディペンデントクラス) |
サスペンション | 4輪ダブルウィッシュボーンインボードタイプ+前後スタビライザー |
ホイール(Front) | 13″×8J |
ホイール(Rear) | 13″×10J |
タイヤ(Front) | 195/550 R13 |
タイヤ(Rear) | 240/570 R13 |
トムス | TMA43 |
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エンジン形式 | TMA43 |
エンジン仕様 | 自然吸気 |
排気量 | 1,987cc |
ボア×ストローク | 80.5×97.6mm |
エンジンオイル | ペトロナスSYNTIUM 7000 0w-40 |
戸田レーシング製
6速シーケンシャルギアボックス パドルシフト付き