ピットウォークを終えた午後1時25分、第11戦チャンピオンクラス(以下CHクラス)の決勝レースに向けてコースインが始まった。SUPER GTの公式練習の頃から時折降っていた雨も止み、コース上はドライコンディションながら、ダミーグリッド上では時折ポツリポツリと雨粒を感じる微妙な状況。しかし、28台で争われるこの決勝は、事前にWET宣言こそ出されていたものの、大方の予想通り通常スタートでの戦いとなった。
この第11戦決勝は、ランキング2位につける鈴木斗輝哉がポールシッター。2番グリッドには久々のフロントロウ森山冬星、ポイントリーダーの佐藤樹は3番手につけ、4番手には武藤雅奈、5番手に白崎稜、6番手に百瀬翔が続いた。
午後1時44分にレッドシグナルが消えると、好スタートを決めたのはポールの鈴木。対して2番グリッドの森山は加速が今ひとつで、すぐにイン側の佐藤に並びかけられると、1コーナーでは4番グリッドの武藤にもわずかに先行され、佐藤と武藤、さらには白崎に囲まれる形となった1コーナーでは一気に4番手まで後退。代わって2番手には佐藤が浮上し、3番手に武藤が浮上し、森山はなんとか第1ヘアピンへのアプローチで白崎を抑えて4番手に踏みとどまる。
トップに立った鈴木斗輝哉は、ランキング首位の佐藤の接近を許さないとばかりにオープニングラップからプッシュをしたいところだったが、スタートの際にミッション系にトラブルを抱えて動けなくなった中里龍昇のマシンがグリッド上にあったためセーフティーカーが導入されることに。さらに中里のマシンからオイルが出ていたため、その処理もあってセーフティーカーは3周目までコースに留まることに。
この段階でのオーダーは、鈴木斗輝哉、佐藤、武藤、森山、1周目の第2ヘアピンでポジションを上げた新原光太郎、白崎、百瀬、洞地遼大、梅垣清、そして菊池貴博が突飛10。このオーダーで迎えたリスタートは3周終了時4周目からとなったが、ここで鈴木斗輝哉はトップをキープし、佐藤以下が追走していくが、1コーナーでは森山にインから白崎が並びかけて4番手を奪う。その背後では新原、百瀬、洞地が接近戦を演じ、さらにそこに梅垣も絡んでいく混戦となっていく。
トップ鈴木斗輝哉は、リスタート直後の4周目に1分54秒356のファステストを刻むと、佐藤とのギャップを1秒に拡大。翌周に鈴木斗輝哉は1分54秒032にペースアップし佐藤に1秒6の差をつけると、さらに6周目にはその差を2秒4に。2番手佐藤は3番手武藤の接近を許さないものの、ペースが安定せず鈴木斗輝哉とのギャップはさらに拡大していくことに。
レース中盤、6番手を争う新原、百瀬、洞地の攻防が激しさを増し、ついに9周目には百瀬が新原を捉えて6番手にポジションアップ。僅かにペースの上がらない新原は10周目の1コーナーでは洞地にもポジションを奪われ、洞地7番手、新原8番手に。また、終盤戦では3番手武藤に白崎が肉薄するも、初表彰台を目指す武藤が耐え切り、ポジション変動は起こらなかった。
結局鈴木斗輝哉は6秒6の大差をつけて逃げ切り、ポール・トゥ・ウイン。4勝目を飾るとともに、2位でフィニッシュした佐藤とのポイント差を「7」縮めることに成功した。3位には健闘の武藤。以下、白崎、森山、百瀬が4〜6位に入っている。