ポール・トゥ・ウインで第3戦を制した#50野村。#51洞地は一歩届かず2位に
夏を思わせる日差しが照りつける鈴鹿サーキット。6月1日午後2時、オンタイムでフォーメーションラップがスタートしたFIA-F4選手権第3戦決勝は、チャンピオンクラス21台、インディペンデントクラス17台、計38台が出走しての11周での戦いとなった。
第3戦決勝のスタート。#16新原は1コーナー手前で早くも3番手に浮上していた
フロントロウには野村勇斗、洞地遼大のHFDP勢が並び、2列目には森山冬星と新原光太郎、3列目には清水啓伸と梅垣清、4列目には佐藤凛太郎と大宮賢人が続く上位グリッド。午後2時04分に迎えたスタートでは、上位陣がまずまずの動きだしを見せる中、中段グリッド付近で数台のマシンがストールに見舞われるも、大きな混乱なく各車1コーナーへ。ポールポジションの野村、2番グリッドの洞地がポジションキープで1コーナーをクリアした一方、その背後ではシグナルへの反応がやや鈍かった森山をかわして新原が3番手に浮上、森山は清水の攻勢をなんとか抑えて4番手となった。
しかし隊列が1〜2コーナーを抜けS字へと向かう中、集団の中で接触がありインディペンデントクラスの車両1台がスピンアウト。グラベルにストップしたこの車両を排除するため、早くもオープニングラップにセーフティーカーが導入される。
#50野村vs#51洞地。セーフティーカーが勝負に影を落としたか
このセーフティーカーが消灯したのは3周目。レースは4周目からリスタートとなったが、ここからトップの野村はじりじりと洞地とのギャップを拡大しにかかるが、洞地も食らいつき、いったん1秒ほどとなった2台の差は徐々に減っていき接近戦の様相を見せはじめる。その一方で、3番手の新原はトップ2台にやや水を開けられ、森山との接近戦を展開。さらに清水をはさんで佐藤凛太郎と大宮がテール・トゥ・ノーズの攻防を展開するも、どのバトルも決め手を欠き順位の変動は起こらない。
#16新原は#62森山をスタートで逆転、表彰台を獲得
そのままレースは後半に突入したが、デグナーでスピン〜立ち往生したインディペンデントクラスの車両回収のため、8周目に2度目のセーフティーカーが入る。
車両回収が速やかに終わり、レースは10周目からリスタート。ここでも野村がリスタートをうまく決めた一方、洞地には新原が肉薄。さらに森山以下もこの争いに加わる気配を見せたが、結局順位変動はないまま11周のレースはチェッカーを迎えることに。
優勝は、これが通算2勝目となる野村。落ち着いて2度のリスタートを決め、ポール・トゥ・ウインで今季初優勝を手にした。2位に洞地、3位にはこれが初表彰台となった新原。4〜6位には森山、清水、そしてチームメイトの攻勢を凌ぎ切った佐藤凛太郎が入った。
野村、洞地のHFDP勢が1-2。そして新原が表彰台へ
インディペンデントクラスとなってからこれが初優勝となった今田
一方、インディペンデントクラスでは、今田信宏、DRAGON、鳥羽豊、KEN ALEX、齋藤真紀雄、KENTAROがグリッドのトップ6という状況で戦いの火蓋が切って落とされた。
ポールポジションの今田、DRAGONがまずまずの動きだしを見せた中、3番グリッドの鳥羽がストールに見舞われ、3番手をKENTARO、KEN ALEX、齋藤真紀雄が争う形となるが、1〜2コーナーで3番手を得たのはKENTARO。齋藤とKEN ALEXはサイドbyサイドでS字に入るが、ここで両者はわずかに接触しKEN ALEXがスピンアウトしグラベルストップ。これでセーフティーカーが入ることに。
#44今田、#30DRAGON、#55KENTAROが表彰台に
今田、DRAGON、チャンピオンクラスの車両を挟んでKENTARO、齋藤、中島功、植田正幸というトップ6となって、レースは4周目にリスタートを迎えるが、今田はコンマ5〜1秒前後のギャップを守りつつ、周回を重ねていく。DRAGONは2番手追走をしつつも、時にKENTAROの接近を許し前後に気を配らざるを得ない難しい展開になっていく。
第1戦のDRAGON、第2戦のKENTARO、そして第3戦の今田と今季のウイナー3人が表彰台へ
すると、トップ今田は7周目にチャンピオンクラスの車両をDRAGONの間に挟むことに成功し、いよいよ万全の体制に。8周目に入ったセーフティーカーがコースを去り、10周目からのリスタート直後には出遅れたチャンピオンクラスの車両がさらに今田とDRAGONの間に入るなど、DRAGONにとっては今田にチャンレンジする機会を失われる状況に。
こうして万全の体制でトップチェッカーを受けた今田は、インディペンデントクラスとなってこれが初優勝。2位にDRAGON、3位にKENTAROが入り、以下齋藤、中島、植田が4〜6位でのフィニッシュとなった。