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2025第72回マカオグランプリFIA-F4ワールドカップレポート:11月12日

 全長6.2km、アップダウンに富んだブラインドコーナーの続く山側セクションと、スリップの奪い合いが見られる高速の海側セクションを併せ持つ、世界屈指の難易度を誇る市街地コースでのスリリングなバトルが毎年注目を集めるマカオグランプリ。

 今年も11月13〜16日の4日間、第72回大会が開催されることとなったが、昨年フォーミュラリージョナル・ワールドカップが開催されたのに続き、今年初めてFIA-F4ワールドカップもこの伝統のイベントに組み込まれることとなり、各国FIA-F4シリーズのトップコンテンダーが集まる中、日本からも今季最終戦までチャンピオン争いを繰り広げた佐藤樹が参戦することとなった。加えて昨年FIA-F4選手権に参戦し、今年はフランスF4に挑んでいた佐藤凛太郎、スロバキアと日本のハーフである中村紀庵ベルタも含め、20台がエントリーして初のFIA-F4ワールドカップの覇を競うビッグイベントを迎えた。

 走行開始は木曜ながら、月曜にはマカオ入りした佐藤樹は、火曜にシートフィッティング等を済ませ、水曜にはコースウォーク、装備品チェック、ドライバー集合撮影、ドライバーズブリーフィングなど、慌ただしく準備をこなすことに。今回の大会で使用する車両は、FIA-F4車両ながらも多くのシリーズで採用されているタトゥースや日本で使用されている東レカーボンマジック製ではなく、フランス、中国シリーズで採用されているリジェ(旧ミゲール)製。エンジンはアルピーヌ1.3リッター4気筒ターボで、タイヤはピレリだ。


 今回大会のFIA-F4に関しては、オーガナイズおよびメンテナンスはフランスのFFSAアカデミーが全車一括して管理するシステムで、佐藤樹車の担当エンジニアもメカニックも外国人という環境となっている。


 市街地レースの経験のない佐藤樹だが、世界の競合の集まるビッグイベントでの健闘を期待したい。

 走行初日の明日11月13日は、フリープラクティス1回目が現地時間午前10時10分から10時50分に予定されている。



佐藤樹コメント:

「来る前にマカオのコースをシミュレーターで走って来たのですが、最初は何度も壁に当たってしまって(笑)。めちゃくちゃ狭いコースだなと思ったんですが、慣れてからはしっかり走れるようになってきて。しかし、シミュレーターでは路面の状況やグリップ感なども掴めないですし、実際に走ってみて跳ねるところだとかもあると思いますから、コース自体は頭に入っていますが、まだ走ってみないとなんとも言えないですね。


 今回使うリジェは先日インドのFIA-F4に行って乗りましたので、初めてではありませんが、タイヤが今回は初めて履くピレリです。インドで乗ったときの印象でこのクルマは、日本のFIA-F4よりもステアリングも重いですし、初期の反応は良いように思います。セットが決まっていなくてもドライビングでなんとかできる領域が多少広いように感じました。またエンジンがターボなので、アクセルの操作に対する反応もよく感じました。

 今回担当してくれるメカニックさんもエンジニアさんもフランスの方で、ふたりともフレンドリーですし、僕の話もよく聞いてくれていますので、雰囲気は良いですね。

 明日は40分間のセッションが1回だけなのですが、絶対に避けなければならないのは、早々にクラッシュしてしまって走行時間を失うということだと思っています。ですから、タイムを出しに行くということは考えずに、コースの感覚や40分の間にどう変化していくか、周りのドライバーと走ってみてどうか、などを確認することに集中したいと思います」


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