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2025第72回マカオグランプリFIA-F4ワールドカップレポート:11月13日

 マカオ市街地・ギアサーキットで行われる第72回マカオグランプリが、いよいよ本日開幕。フォーミュラリージョナルのフリープラクティス1に続いて、オンタイムの午前10時10分より、日本から参戦の佐藤樹が参加するFIA-F4ワールドカップもフリープラクティス1回目を迎えた。

 走行開始初日を前に、多くの車両に無線トラブルがあることが分かり、走行直前までドタバタはあったものの、佐藤樹の無線も無事修復され、地下ガレージから地上パドックへ車両移動。ガレージ位置の関係から、佐藤樹は先頭から2台目でのコースインとなった。

 今回、このFIA-F4ワールドカップに向けて、車両はリジェ、エンジンはルノー、タイヤはピレリとワンメイク。さらにイニシャルのセットアップも全車共通とされており、そこから各車セッティング変更が許されるのはドライバーが変更できるブレーキバランス以外では、ウイング、ダンパー減衰、スタビ、キャンバーの4箇所のみと規定されている。

 このため、このFP1では全車完全に同じセットアップでの走行となったわけだが、セッション開始直後に1台の車両がトラブルからストレート上に立ち往生。いきなりの赤旗中断となってしまうが、この車両がクレーンにより回収され、セッションが再開されたのは午前10時18分。中断による延長等は行われなかったため、この時点で40分間のFP1は残り32分となった。

 ここから仕切り直しとなったセッション、初のマカオ市街地コースでの走行となった佐藤樹は、コースとマシン、タイヤのフィーリングを確かめつつ、周回を重ねていく。
 3周目に2分36秒988をマークしまずは6番手につけた佐藤樹は、5周目に2分35秒806で15番手。6周目に2分31秒082をマークして12番手につけるなど慎重な立ち上がりから徐々にペースを上げ始めたが、ここで他車がフィッシャーマンズベンドでクラッシュ。このため2回目の赤旗が入った。

 セッションは残り8分、午前10時42分に再開となったが、ここでコースインした佐藤樹は、コースイン直後の集団の中での位置取りに気を取られてか、リスボアでのブレーキングポイントを僅かにミス。リスボアを曲がりきれずにタイヤバリアにヒットしてしまう。


 しかし、幸運にも正面からのわずかなタイヤバリアとの接触であったため、ほぼマシンは無傷で佐藤樹は走行を再開するも、今度は他車がクラッシュしたことで3度目の赤旗が提示されることとなり、セッションはそのまま終了。結局このセッション、最も多くの周回を重ねた車両でもアウトインを入れても9周、まともな計測ラップは4周という、マカオならではの状況で終わりを告げることとなった。

 FIA-F4ワールドカップは、この日の走行はこのFP1のみ。明日は午前9時15分から40分間のFP2が行われる他、午後1時30分からは早くも40分間での公式予選が予定されている。




佐藤樹コメント:

「今日FP1で初めて走ってみて、怖かったというのと楽しかったというのが入り混じったような、ちょっと不思議な感覚でしたね。でも周りの海外勢は2周目くらいからもう全開で攻めていて、彼らの順応の早さなのか、すごく大きな違いを感じました。あんなに壁の近くを走るという感覚、経験が日本では無さすぎて、本当に何が起きているのか分からないような部分もありました。

 それでも徐々に慣れて来て、あともう2〜3周走れていたらタイムを出しに行けたかなとも思いましたが、赤旗も2〜3回出てしまってラップ数もあまり稼げなかったので……。しかし、それでもコースには少し慣れることができたので、明日はもっとうまく順応できるようにしたいですね。

 クルマ自体はインドFIA-F4で経験していたので、大きな違和感はありませんでしたが、タイヤは想像以上にグリップしないと感じました。走り始めてコンディションも関係しているとは思いますが。コースも聞いていたほどにはダスティではなくて、最初リスクを避けてあまりコース幅いっぱいを使わずに走っていたのですが、他のドライバーはもっとギリギリを走っていたので、あ、意外とコース幅いっぱい使えるんだなと。他のドライバーのいき具合と、自分を比べたときに、自分は全然いけてないな、と感じたほどでした。
 ですが、自分が全然いっていない部分を踏まえると、トップとは3秒差くらいなので、そんな途轍もない差ではないのかな、とも一方で思っています。山側のブラインドコーナーであったり、路面がかまぼこ状になっているところなんかも、前を走っているドライバーが関係なく踏んでいっているのを見て、自分にもまだまだいける余地が残されているとも感じています。

 明日は、そのあたりをうまくまとめつつ、タイムを上げていけるよう頑張ります。」

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