
11月2日日曜、やや雲はあったものの雨の気配もなく、ドライコンディションで迎えたFIA-F4選手権の今季最終戦、第14戦決勝は、チャンピオンクラス、インディペンデントクラスともにチャンピオンの掛かった大一番となった。
チャンピオンクラスでは、5.5ポイント差でランキング首位の佐藤樹がポールシッター。しかし、ランキング2位の鈴木斗輝哉が2番グリッドと、緊張感みなぎるフロントロウに。2列目以降には白崎稜、梅垣清、三浦柚貴、そして昨日優勝を飾った新原光太郎が続いた。
午前8時25分、オンタイムでフォーメーションラップが開始され、1周の後、いよいよ運命の13ラップがスタートした。
レッドシグナルが消えると、ポールポジションの佐藤以下、いっせいに動き出したが、ここで佐藤を上回る加速を見せたのは鈴木斗輝哉。鈴木斗輝哉は、1コーナーまでに佐藤よりも先行したものの、1コーナーのブレーキングでロックさせ、僅かにアウトにはらんでしまい、そのイン側に佐藤が飛び込み、2台は並走しながら2コーナーを立ち上がるが、ここで接触がありアウト側の鈴木斗輝哉はダートにはみ出す。
ここで一旦佐藤がトップを奪い返すも、鈴木斗輝哉は3〜4コーナーにかけて再び佐藤に並びかける。すると、4コーナー出口で2台は再び接触、今度はアウト側にいた佐藤が大きく弾かれてコースアウト。鈴木斗輝哉がトップに立つ一方、佐藤は大きく25〜26番手あたりまでポジションダウンしてしまった。

この激しい攻防の結果、5コーナーへの加速が鈍った鈴木斗輝哉に今度は白崎が並びかけ、立ち上がりでトップを奪い鈴木斗輝哉は2番手に後退する。これによって、上位陣は白崎、鈴木斗輝哉、梅垣、三浦、洞地遼大、迫隆眞、百瀬翔、鈴木恵武、新原、そして落合蓮音がトップ10という状況となるが、ヘアピンでIKARIがコースアウトしグラベルにストップした他、2周目に入るところのホームストレートで落合との接触で松井啓人のフロントウイングが脱落しコース上に落下。このため、2周目にセーフティーカーが導入されることとなった。
セーフティーカーランは4周終了時まで続けられ、レースは5周目からリスタート。ここで白崎は僅かに鈴木斗輝哉を引き離してリスタートに成功し、トップをキープ。これに鈴木斗輝哉、梅垣、三浦、洞地らが続いていくが、洞地が三浦に迫るものの、ポジションは変わらず。上位陣では、そこから大きな順位変動のないまま周回が進むが、7周目に佐藤、そして鈴木斗輝哉双方に、1周目の接触に関して5秒のタイムペナルティーという裁定が下される。
この時点で佐藤はポイント圏外、鈴木斗輝哉は2番手を走行中ながら、後続とのタイム差次第ではタイトル逆転に必要な7位(=6ポイント)以下に降格されてしまう可能性も出てきた。

トップ白崎は、こうした後続の攻防をよそに1秒強のマージンを保って着実に周回。結局背後を脅かされることなく13周を走り切り、最終戦をトップチェッカー。見事今季3勝目を飾ることとなった。一方、2番手でフィニッシュした鈴木斗輝哉だが、5秒加算された結果は4位。2位に梅垣、3位に三浦が繰り上がるも、鈴木斗輝哉が逆転で今季のチャンピオンを獲得することとなった。5〜6位には洞地、百瀬が入った。
なお、佐藤は12周目にファステストラップをマークしながら追い上げるも、14位に終わっている。


一方、前日の第13戦でKENTAROを逆転、7.5ポイント差で今田信宏がランキング首位に浮上して迎えたインディペンデントクラスの第14戦決勝。こちらも目が離せないレースとなったが、スターティンググリッドはKEN ALEXが昨日に続いてポールポジション。これに第13戦を制した清水康弘が続き、注目のふたり、今田、KENTAROは3〜4番手に並び、DRAGON、SAKAI WILLIAMが3列目となった。
レッドシグナルが消えると、なんとKEN ALEXがストール。これで清水が2番手に浮上、今田、KENTARO、SAKAI WILLIAM、DRAGONらがこれに続くこととなったが、3〜4コーナーで今田が清水を捕らえてトップに浮上を果たす。しかし、1周目のヘアピンでIKARIがグラベルストップしたことで2周目にセーフティーカーが入り、レース再開は5周目からに。

ここからトップの今田、清水、KENTARO、SAKAI WILLIAM、DRAGON、そして赤松昌一朗がトップ6での攻防が始まったが、この再開直後にKENTAROが清水をオーバーテイクし2番手に。さらにKENTAROは翌6周目に今田攻略に成功しトップに浮上を果たすが、今田が2位にいる以上、優勝=25ポイント、2位=18ポイントのため7ポイントしかギャップを詰められず、このままでは0.5ポイント差で今田に軍配が上がる状況。
トップに浮上したKENTAROは、そのまま首位をひた走るが、今田は僅差で清水の追走を許すも2番手をキープ。逆に清水は10周目の1〜2コーナーでDRAGONの後塵を拝し4番手に後退すると、2コーナー立ち上がりでDRAGONに追突することとなって、フロントウイングに大きなダメージを負ってしまう。

これにより、清水はじりじりとポジションを下げることとなってしまったが、トップ3はそのままのオーダーでチェッカー。KENTAROが逆転で最終戦を制し、今季6勝目をマークも、僅かに0.5ポイント届かず、2位に入った今田が今季のインディペンデントクラスチャンピオンに。3位にはDRAGON。4〜6位にはSAKAI WILLIAM、赤松昌一朗、そして清水剛が入っている。
