REPORTS | 第13戦・第14戦 モビリティリゾートもてぎ

2025 第13戦 もてぎ決勝レースレポート

新原光太郎がポール・トゥ・ウイン! 鈴木斗輝哉2位、佐藤樹はまさかのリタイアに

 ピットウォークが終わった午後0時35分、FIA-F4選手権第13戦決勝に向けてのコースインがオンタイムで開始された。
 ダンプコンディションであった朝の公式予選から一転、完全なドライコンディションとなった第13戦決勝は、午後0時50分にフォーメーションラップがスタートとなった。このレースのポールシッターは新原光太郎。2番手に白崎稜、3番手に鈴木斗輝哉、4番手に佐藤樹、5番手に三浦柚貴、6番手に洞地遼大という上位陣を先頭に、隊列は1周を終えて再びグリッドへ。




 ところが、ここでシグナルの不具合が発生しており、スタートはディレイに。このため、1周減算され12周の戦いとなった上で、午後0時56分に再度フォーメーションラップがスタートすることとなった。





 しかしなんとこの際、4番グリッドの佐藤の手が挙がる。タイトル争いのかかった重要な一戦を前に、バッテリーのトラブルに見舞われてエンジン再始動ができず、スタートできなかったのだ。グリッドに止まったまま全車に追い越された佐藤のマシンは、オフィシャルの手によりピットロードへ押し戻され、不運にもピットスタートとなってしまう。



 佐藤にとって予想外の展開をよそに、隊列は仕切り直しのフォーメーションラップを終え、再びグリッドに戻ると午後1時ちょうどに第13戦決勝の火蓋が切って落とされた。スタートではポールシッターの新原が良い加速を見せ、白崎2番手、3番手に鈴木斗輝哉、さらに三浦、洞地とほぼグリッド順通りに1〜2コーナー、3〜4コーナーをクリアするが、5コーナーへのアプローチで鈴木斗輝哉が白崎のインに飛び込み、立ち上がりで2番手を奪い取る。その攻防の中で白崎は立ち上がりでコースオフして失速してしまい、130RからS字にかけて三浦、洞地に相次いでかわされ、5番手にまだ後退してしまう。




 しかし、オープニングラップのヘアピンの立ち上がりでインディペンデントクラスの攻防の中で接触があり、IKARIがスピンしグラベルにスタック。さらに、ピットスタートからの追い上げが期待された佐藤だったが、なんとエンジン不調が再発、S字手前のアウト側グリーン上にマシンを止めリタイアの憂き目に。このため上位陣が2周目走行中にセーフティーカーが導入されることとなった。




 新原、鈴木、洞地、三浦、白崎、梅垣清のトップ6を先頭にした隊列は、セーフティーカー先導により4周終了時まで周回。リスタートは5周目からとなったが、ここからスパートしたのはトップの新原。1周ごとにコンマ2〜3秒ずつ、じりじりと鈴木を突き放す新原は、今季2勝目を目指してひた走る。佐藤がノーポイントで終わった今、タイトル争いを考えるとひとつでも前のポジションでフィニッシュしたい鈴木斗輝哉だったが、10周目に1分58秒394のファステストを叩き出し、さらに翌11周目には1分58秒351にファステストを更新しながらギャップを拡大していく新原には手が出せぬままレースはファイナルラップに。




 結局新原がそのまま逃げ切ってポール・トゥ・ウインで今季2勝目をゲット。鈴木は2位でのチェッカー。鈴木は18ポイントを積み重ね、佐藤とのポイント差を一気に5.5ポイントとし、明日の第14戦に逆転タイトルの望みを繋ぐこととなった。3位には今季初表彰台となる洞地が入り、以下梅垣、三浦、迫隆眞までが4〜6位となっている。







 一方、KEN ALEXがポールを獲得し、清水康弘、SAKAI WILLIAM、今田信宏、KENTARO、IKARIがトップ6グリッドに並んで迎えたインディペンデントクラスでは、序盤から波乱の攻防が続いた。





 レッドシグナルが消えると、上位陣はまずまずのスタート。KEN ALEX、清水康弘、SAKAI WILLIAM、今田といったオーダーで2コーナーを立ち上がるが、3〜4コーナー間の攻防で清水がトップに浮上。さらに今田が2番手を奪い、SAKAI WILLIAMが3番手に。さらにKENTAROにも先行を許したKEN ALEXは、S字の進入のあたりでは5番手あたりまでポジションを落としてしまう。





 さらにオープニングラップのヘアピンでIKARIと齋藤真紀雄が接触。これでスピンを喫したIKARIのマシンがグラベル/縁石付近で立ち往生することとなり、セーフティーカーが導入されることとなった。







 この段階で、INDPクラスのトップ6のオーダーは、清水、今田、SAKAI WILLIAM、DRAGON、KENTARO、そしてKEN ALEX。わずか0.5ポイント差のKENTAROと今田のタイトル争いに注目が集まる中、レースは5周目からリスタートとなった。






 このリスタートを冷静に決めた清水は、前のCHクラスを追走しながら徐々に2番手の今田以下を引き離していく。一方今田は背後のSAKAI WILLIAMの追従を許し、コンマ数秒差での攻防が続き、残念ながら前の清水を追うことができない。






 このトップ3の背後ではDRAGONにKENTARO、KEN ALEXが肉薄するものの、なかなか仕掛けることができない。ついに3台の間合いが詰まった9周目の1コーナーではアウトからKENTAROがDRAGONに並びかけるも、2コーナー付近で両者はわずかに接触しKENTAROがコースオフ。この機を逃さず3コーナーへの直線区間でDRAGONにKEN ALEXが並走するも、今度はDRAGONがラインを絞っていく格好となってKEN ALEXがコースアウト。この間に植田正幸がKENTAROをかわして6番手にポジションを上げ、一方のKENTAROは7番手にまで後退することに。






 こうした後続の攻防をよそに、清水は今田に4秒以上の大差をつけて逃げ切り、FIA-F4参戦3レース目にして見事初優勝。2位に粘った今田が18ポイントを加算し、最終戦を残してポイントリーダーの座に。3位にはこれが初表彰台となったSAKAI WILLIAMが入った。
 なお、4番手でチェッカーを受けたDRAGONには、複数のアクシデントに対してレース後に計20秒加算のペナルティーの裁定が下され、ポイント圏外へ降格。代わってKEN ALEXが4位となり、最終ラップに植田をかわしたKENTAROが5位、植田が6位に。この結果、ポイントリーダー今田とランキング2位となったKENTAROとのポイント差は、7.5ポイントとなっている。



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